風神(ふうじん)は「風の神」「風伯(ふうはく)」とも呼ばれることもある「風を司(つかさど)る神」のことです。また、妖怪の名前としても使われてきた歴史もあります。
風神は、風を吹き出す風袋(かざぶくろ)を持ち、これによって風雨をもたらすとされています。
『古事記』では、イザナギとイザナミの間に生まれた志那都比古神(シナツヒコノカミ)が風の神であるとされています。
また、『日本書紀』では、イザナミの息から生まれた級長戸辺命(シナトベノミコト)または級長津彦命(シナツヒコノミコト)という名前の神が風の神であるとされています。
古代の人々は風が神の息から生じるものと考えていて、「シナ」には「息が長い」という意味がありました。
また、台風のような暴風は農作物に多大な被害を与えるため、そのような暴風を鎮めるために風の神が祀られるようになりました。
平安時代の『袋草子(ふくろぞうし)=歌論書』、鎌倉時代の『十訓抄(じっきんしょう)=説話集』には、災害や病気をもたらす風神を鎮めるための祭事についの記載があります。